上海に一週間ほど滞在している。
上海で働いている妻の仕事が山場を迎えて忙しいため娘の面倒を見られないから、私が娘の世話をしに来たという形だ。
とはいえ、昼間、娘は学校に行っているし、妻は仕事に出かけるため、日中はさして忙しいわけでもない。
せっかくなので、時間を見つけては街をふらふら歩きながら上海の空気を楽しんでいる。

実際に歩いてみると、この街はかなり面白い。
生活感を匂わせるアパートがあると思えば、その横には高層ビルが立ち並ぶ。
そしてその間を縫うように、電動バイクや電動自転車が走っていく。
表面的には未来的な大都市に見えるが、昔からの名残を感じる街並みが混在している。
新しいものが古いものを塗り替えていく、というよりどちらもそのまま同じ街の中に存在しているのだろう。その入り混じり方が、中国っぽいといえばそうなのかもしれないし、面白さなのかもしれない。
コンクリートジャングルの中にある緑の多い公園では多くの人が憩いの時間を設けている。
そんな公園内にの木々の上には、普通にリスがいる。そして、そのリスに餌を与えながら、やさしい目で見守っている人の姿がある。
高層ビルと電気自動車に囲まれた街なのに、このような自然の気配と暖かさが混ざってくる。
都会らしさと、少し拍子抜けするようなやわらかさが、私にとっては心地よく感じた。

街を歩いてるみると、道ゆく人々と私を隔てる距離感を不思議に思う。
顔立ちだけ見れば、日本人と大きく変わらないが、耳に入ってくる言葉はもちろんまったく違う。その一方で、街に溢れる漢字はなんとなく意味を想像できるものが多い。
全部わかるわけではない。でも、少しだけ伝わる。近いようで遠く、遠いようで近い。
上海には、そんな感覚がずっと流れている気がする。

街の流れ、人の速度、建物の圧、自然の気配。
そんなものを読み解きながら写真を撮っているが(勝手がわからないのでかなり配慮しつつね)、こうして知らない街を歩いている時間や、何気なく足を止めた瞬間の積み重ねで私自身の視線をつくっていくのだと思う。
今回は旅行者目線というよりは、生活しながら現地を見ることができた。こうした中で、新しく気づくことがあったように思う。



















