フォトコン表彰式に参加して

撮影の舞台裏や雑記

先日、東京で行われた第64回富士フイルムフォトコンテストの表彰式に参加してきた。
会場は、東京・乃木坂にある富士フイルムスクエア。アイドルグループの名前で馴染みのあった乃木坂も、実際に訪れてみると、本当に坂のある街だった。高層ビルが立ち並ぶ一方で、公園では人々が思い思いに時間を過ごしている、そんな都会らしい景色に触れながら少しそわそわした気持ちで会場へ向かった。

愛知から東京の富士フイルムまで足を運ぶ。それだけでも、自分にとっては十分に特別な出来事だ。

到着してすぐ、心を奪われたのが1階ギャラリーに展示されていた受賞作品たち。
ギャラリーには、授賞式に参加するために来たであろう受賞者やその家族が変わるがわる自身の写真の前で記念撮影をしている姿が見られ、ギャラリー内の空気は熱気と歓喜に溢れていた。表彰式が始まるまでにまだしばらく時間があったため、私自身も一つ一つの作品をゆっくりと見てその場所を楽しんだ。

真ん中最前列のベストポジション!

ほどなくして式典会場へ通され、表彰式が始まった。
私の通された席は最前列の真ん中という、なんとも贅沢なベストポジション。一番前の一番真ん中で体験できるなんて、本当についているなと思った。
セレモニーは、受賞者一人ひとりが前に出て、主催である富士フイルム社長から直接賞状を受け取る形で、とても印象に残る時間だった。家族も同席できたので、多くの受賞者が家族と一緒に参加しており、その場には重みと喜び、そして敬意が溢れていたのが印象的だ。

表彰式が終わると、しばしの休憩を挟んで懇親会が始まる。
ここでは、受賞者の方々や、私の写真を審査してくださった清水哲朗先生とお話する機会に恵まれたのだが、こういう場で実際に言葉を交わしてみると、写真の裏側にある考え方や、何を見て何を大切にして撮っているのかが伝わってきて、とても刺激的で嬉しい時間となった。

特に、自分の作品のどこを評価していただけたのかを、直接審査員の清水先生に伺えたのは、本当に幸せなことだった。むしろこのためにここにきたと言っても過言ではないくらいに。
「Treasure Hunt」は、犬が水中に潜ってお気に入りの石を探す瞬間を写した作品なのだが、「潜った瞬間でなければ気泡は生まれないだろうし、その気泡が日光に照らされてキラキラと光っている。その二つを同時に捉えられたのは本当にすごい」と言っていただけた。
自分が大切にしていたポイントを、きちんと見て受け取っていただけたことが、本当に嬉しかった。

清水哲郎先生と。サインもいただきました。


またグランプリを受賞された岸さんにもお話を伺うことができた。

(私のHPには岸さんの作品を掲載できないので、ぜひリンク先から見ていただきたい。「稲妻走るピンクの夕暮れ」。本当にすごい瞬間を捉えた作品だ。
受賞作品を撮影した背景や、その写真に至るまでの考え方、撮影手法について直接伺うことができ、とても貴重な時間となった。
他にも多くの受賞者の方々とコミュニケーションを取ることができたのだが、みんなが口を揃えて「あの作品を撮れたのは奇跡だった。それを評価してもらえて嬉しい」と語っていたのが印象的だった。

多くの写真たち。それらは見た瞬間に「すごい写真だな」と思う。けれど逆に言えば、それだけで終わってしまいがちでもある。
でも実際には、その背景にある観察や執念、技術、選択の積み重ねがあって、まさに奇跡のような一枚に辿り着いている。
現像され、展示された写真には、そんな撮影者の思想や創意工夫を想像しながら観る楽しさがある。
そして実際に撮影者本人と話し、作品と人が結びついたとき、それまで点だったものが線になるような感覚を覚えた。
一枚の写真が、ただ「すごい」で終わるのではなく、「どうしてこの一枚に辿り着いたのか」まで含めて立ち上がってくる。そんな体験ができたことも、この表彰式で得た大きな喜びのひとつだった。

今回、表彰式や懇親会に出席して、改めて写真への向き合い方を考えるきっかけになった。
今の自分は、どこを強みにしているのか。逆に、まだ足りないものは何か。
そしてこれから先、どういう方向に表現力を伸ばしていきたいのか。
受賞できたのは本当に嬉しい出来事だったが、それ以上に、自分の中で「もっと深く向き合いたい」という感覚がはっきりしたことの方が大きかったのかもしれない。
これからも、自分にしか撮れない一枚を目指して、表現を磨いていきたいと思う。
そして私は、家族として一緒に暮らす動物を写す写真家だ。だからこそ、その表現の先にある新しい景色を、あなたの大切な家族と一緒に写せたなら、それが何より幸せなことだと思っている🐶😸