先日、森のアトリエ撮影会を行った。
森のアトリエは、木陰の中に小さな滝があり、それが小川になっているというロケーションだ。
そんな自然の中に照明機材を持ち込んで、犬たちの姿を撮っていく。
それが、この撮影会の面白いところでもある。
さて。今回は、撮影会の合間のフリータイムのお話。
滝から流れる小川の行き先を見てみると、その水は用水路に繋がっていた。
水路には段差が設けられ、上段から壁を伝って水が落ち、下では小さな水しぶきが立っていた。
特別な滝でもないし、見上げるような景色でもない。

しかし、こういう場所が面白い。
さっそく望遠で寄って、シャッタースピードを速くして撮ってみると、肉眼で見ている景色とは少し違うものが写った。

設定は、Mモード。焦点距離200mm、シャッタースピード1/2000、F値2.8とし、ISOはその場の明るさに合わせて640まで上げた。
常に流れる水を狙うため、ピントはマニュアルフォーカスにして、ぼかすべき場所と撮りたい場所を固定して、構図を作った。
人間の眼をカメラのシャッタースピードにそのまま置き換えることはできないけれど、感覚的には1/60〜1/100秒あたりで見ている、と言われることがある。
それよりもずっと速いシャッタースピードで撮影すると、肉眼ではとらえられなかった一瞬の形を切り出すことができる。
これこそが、動いているものを止めて撮ることの面白さなのだと思う。
今回撮った水しぶきは、目で見ている時にはただの水の流れだけど、写真にすると一粒ずつの形が見えてくる。
跳ね上がった水滴や崩れかけた水の線が、その瞬間だけのかたちとして残り、その様はまるでダンサーが躍っているかのように見えて面白かった。
瞬間的に形を変えていく水は、やっぱり面白い。
流れる、爆ぜる、そんな流動性を持っている。
その動きを止めて表現するのか、流して表現するのか。
水が主役になることもあるし、水を纏ったモデルが主役になることもある。
そんなことを考えながら、川に行ったり海に行ったりして水を撮っている私は、やっぱり水が好きなのだろうな。
同じ場所でも、見方を少し変えるだけで、写真の中に出てくるものは変わってくる。
森のアトリエ撮影会のために何度も足を運んでいるこの場所だけれど、慣れたロケーションでさえ新たな表現は見つかる。
こういう小さな遊びを重ねながら、また次の撮影に活かせられればいいなと思う。

