今回の中国旅行では、張掖と敦煌をめぐった。
前編となるこの記事では、張掖で訪れた3つの場所についてまとめておこうと思う。
訪れたのは、張掖七彩丹霞景区、平山湖大峡谷、そして馬蹄寺の3カ所だ。
まずは、上海で家族と合流し張掖へ
今回の旅は、まず中国・上海に住んでいる妻子と合流するところから始まった。
上海・浦東空港まで迎えにきてくれた妻子と2ヶ月ぶりとなる感動の再会を果たし、そのまま飛行機で張掖へ向かった。
この時期、上海は蒸し暑く雨が多い天気柄だったが、張掖につき飛行から降りた瞬間に乾いた空気と青く広い空、遠くまで続く大地の世界が目の前に広がっていて、爽やかな気持ちにさせられた。

張掖丹霞地貌|地球の色を見る
張掖につき、まず訪れたのが張掖丹霞地貌だ。
赤、黄色、白、褐色。
いくつもの色が重なった地層が、山の斜面に現れていることで有名な観光スポットだ。
雑誌やネットでは何度か見たことがあったが、実際に目の前にすると、やはり迫力が違った。
風景というより、地球の断面を見ているような感覚だった。
各層それぞれに見られる鮮やかな色は、人工的に作られたものではなく、自然が途方もない時間をかけて残したものであり、人工で作られたものではない派手さと壮大さを感じた。
写真を撮る側としては、どこを切り取っても絵になる場所だった。
そして、日が沈む時間帯に訪れることができたのが、とても大きな功績だったかもしれない。
私の最も好きなゴールデンアワーに、ベストな位置で撮影ができたのはとてもうれしかった。
沈みかける太陽に照らされた各層がさまざまな色味を出していたのが印象深い。





平山湖大峡谷|地球の形の中を歩く
翌日は、平山湖大峡谷へ向かった。
平山湖という名前から想像できるような湖があるわけではなく、谷と岩で囲まれた絶景が広がっている絶景地だ。
七彩丹霞が「地球の色」を見る場所だとしたら、平山湖大峡谷は「地球の形」を感じる場所だった。
ちなみに、中国のグランドキャニオンとも呼ばれているこの場所、市内からタクシーで90分ほどの場所にある。現地に到着するまでにも見渡す限りの岩と地平線の中を走ってきて、その道程でさえも、日本とは全く異なるスケール感に驚かされた。
平山湖大峡谷は、切り立った岩肌、深く削られた谷、乾いた大地が一面に広がっていた。
目の前に広がる景色は、前日に見た七彩丹霞とはまた違う迫力があった。
色の美しさよりも、形の強さが際立っている。
光と影が岩の凹凸を際立たせていて、歩くたびに見え方が変わっていく。
ここでは、風景の中に入っていく感覚があった。
実際に、上から見下ろすだけではなく、谷の中へと下って、歩いたが、岩の大きさや高低差を身体で感じることができ、まさに自然の大きさに感嘆した。
写真を撮っていて印象的だったのは、人の小ささだった。
広い風景の中に人が入ると、その場のスケールが一気に伝わる。
自然の大きさに対して、人間は本当に小さい。
でも、その小さな人間がカメラを持って、足を止めて、何かを見つけようとしている。
そう考えると、風景写真というのは、ただ大きな景色を撮るだけではなく、その場に立った自分の感覚を残すことでもあるのだと思った。



馬蹄寺|岩に刻まれた時間
張掖で最後に訪れたのが、馬蹄寺だった。
馬蹄寺は、自然の岩山の中に寺院や石窟が作られている場所だ。
七彩丹霞や平山湖大峡谷では、自然が作った絶景だったが、馬蹄寺ではそこに人の祈りや時間が重なる歴史としての目線が加わる。
岩の中に作られた数々の空間。
階段を上り、通路を進み、岩肌に沿って建てられた建築がそこには、あった。
派手な観光地というより、長い年月をかけて、この場で根付いてきた時間が蓄積している場所という印象を受けた。
自然の地形そのものにも力があるが、そこに人が手を入れ、祈りの場所として長い時間が積み重なっている。
岩に刻まれたもの、壁に残るもの、そこへ向かう人の足取り。
そういうものを見ていると、写真に写るもの以上の「長い時間」を感じる。
馬蹄寺では、人工物がメインということもあり、風景の中にある時間の長さを何度も感じることができた。






張掖で感じたこと
張掖で見た風景は、普段自分が撮っている犬や猫、海や水辺の写真とはまったく違うものだった。
動きのあるものを表現すると言う形ではなく、むしろ「記録」に近いものなのかもしれない。けれど、写真を撮る時に見ているものは、やっぱり意外と近しいところはある。
光がどこから来て、何を照らしているのか。
その場所に、どんな時間が流れているのか。
歴史に触れながらそんなことを考えて、ファインダー越しにシャッターを押した。
七彩丹霞では、地球の色を見ることができたし、平山湖大峡谷では、地球の形の中を歩いた。
一方で、馬蹄寺では、岩に人が紡いできた時間の長さを感じることができた。
どれもスケールの大きな風景で、ただ大きいだけではなく、長い時間の積み重なりを感じた。
旅後編|敦煌
後編では、敦煌で訪れた莫高窟、ゴビ砂漠、そして夜市についてまとめている。
砂漠、石窟、夜の街。張掖とはまた違う、中国西域の時間だった。


