WaterDog.™ #09|ついに!!撮影レポート

【企画】WaterDog

WaterDog.ついに撮影!!

ついに、WaterDog.が動き出しました。
構想して、準備して、試作して…ようやくたどりついた「はじめての撮影」。
その舞台は、梅雨が明けて間もない夏の川。 ここは、湧水源からなる水温15度の清流。

そしてその記念すべき初陣を飾ってくれたのが── オーストラリアンシェパードのリアンちゃんとマッシュちゃん。
思い思いに遊ぶふたりの姿を、夢中で追いかけるようにシャッターを切り続けて、あっという間に2時間。 なんと2000回を超えるシャッターを押しながら、「これだ!」という瞬間を狙い続けました。

真冬でも川に飛び込むという強者コンビのリアンちゃんとマッシュちゃん。
冷たい水にも全く臆することなく、水と一体になって楽しんでいました。 その姿は、水中からカメラを構えるこちらが圧倒されてしまうほどの堂々とした姿でした。


挑戦したのは「スプリットショット」

今回の最大のチャレンジ、それは水上と水中を1枚におさめる「スプリットショット」
そして、水しぶきを上げながら水と戯れる犬の一瞬の表情。
何度も何度も頭の中でシミュレーションして撮影に挑んだけれど、現実はそんなに甘くなかった…!
そう。思っていたよりもずっと難しく、課題も浮かび上がりました。

  • ピントを犬の「目」に合わせること自体が至難の技
  • 水面下と水上は屈折率が異なるため、ピント位置がズレる
  • ドームポートに水滴がついて、写真がボケる・歪む
  • ハウジングの操作性が悪く、撮影した写真の確認がしにくい。

……想定外の難しさが、次々に襲ってきました。

川に使っていると体温が奪われることは想定済でした。
そのため、ウェットスーツを装備して寒さ対策はバッチリでしたが、今度はウェットスーツの浮力が強すぎて潜れない!という新たな問題まで発生(笑)よくダイバーが装備しているウェイト(重石)を導入する必要があるなと思いました。

水面と水上の屈折率が異なるため、ピントが合わない

それでも、撮っていて感じたこと

たしかに、うまくいかないことばかりでした。 でも、それ以上に感じたのは──

「犬の一瞬の表情は、やっぱり素晴らしい」という強い気持ち。

水をかき分けて走るときの真剣な顔。 バシャッと跳ねたときの、はにかむような笑顔。
しぶきの向こうに見える、澄んだ瞳。
たった0.0005秒という一瞬に、 「生きている姿」があって、 それを残せたときの喜びは、言葉では表せないほどでした。


WaterDog.は、犬と人との「共同創作」

今回協力してくれたリアンちゃんとマッシュちゃん。
そしてオーナーさんたちに、心から感謝しています。
WaterDog.は、ただカメラマンが撮るだけの撮影ではありません。
「この世界を一緒に作ってくれる仲間」がいて、はじめて成り立つものだと、今回の撮影を通じて強く実感しました。
どんな表情が見たいか。 どんなカットを目指すか。 そして、どんな「物語」をそこに込めたいのか。

いぬ・ひと・想いがそろってひとつの作品になる。 それがWaterDog.です。


この世界を、少しずつ届けていきます

WaterDog.は、まだ始まったばかり。 でも、少しずつ、着実に前へ進んでいます。
これからの撮影記録や作例は、Instagramとブログで随時発信していく予定です。
リアルな試行錯誤や、現場の空気感も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

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最後に。

はじめての川。 はじめての挑戦。 そして、はじめての仲間。

今回の撮影は、技術的にはまだまだ課題だらけ。
でも、たしかに「何かがはじまった」、そんな感触だけは強く残っています。

この先もっと練って、磨いて、極めていく。 その覚悟とエネルギーをくれたリアンちゃん・マッシュちゃん、オーナーさん、本当にありがとうございました。

WaterDog.、本格始動です。